山奥ニート 必要なだけ稼ぐ 新しい生き方 2万5千円で暮らす

和歌山県の山間部に「山奥ニート」と呼ばれる若者たちが暮らしている。


自然に恵まれた環境で好きなことをしながら暮らし、地元の人たちの仕事を手伝いながら、わずかな収入で自由気ままな生活をしている。


彼らが暮らしているのは、和歌山市から車で約2時間半の和歌山県田辺市五味。山間部の限界集落で、地元住民は平均年齢約70歳でわずか8人。


住居は廃校となった小学校の校舎を改装して使っている。

この建物は引きこもりの人を支援するNPO法人「共生舎」の所有で、代表が死去したこともあり、石井新(あらた)さん(27)が管理人として移住してきた。


石井さんは大学生時代に引きこもりがちで、ネットで共生舎のことを知っていた。

「ニートだから失うものは何もない」との理由で、約2年前に縁もゆかりもない田辺にやって来た。


仲間の住人は現在4人で、いずれも20代の若者で、農作業や草刈り、梅の実の収穫などの手伝いをして得た収入で生活している。


楽しく暮らすことが一番大事で、「最低2万5千円あれば1カ月暮らせる」という。

生活費が不足したときは、観光地やリゾート地で短期間のアルバイトをし、必要なだけ稼いで帰ってくるという。


ネット通販を使えば、2日程度で注文品が届き、たいていの物は手に入るという。


社会福祉法人の依頼で畑を耕したり、近所の猟師にもらったシカを解体したり、祭りの準備などで住民と交流したりと、地元住民からも若い男手として頼りにされている。


石井さんらは、「いずれは農業などのノウハウを学び、自力で生活できるようになりたい」「ここの住民はほとんど高齢者だけどみんな生活できているし、自分たちも何とかなると思う」と話している。


4月からは新しい仲間も加わり、山奥ニートは少しづつだが広がりをみせている。


「最初はあこがれで田舎暮らしを始めても、暮らし続けるのは大変な部分もある」と指摘する専門家がいる一方で、「田舎では自分で必要な情報を選択でき、若者にこそ田舎で暮らしてもらいたい」と話す関係者も多い。


山奥ニートのような、必要なだけ稼ぎ、地元住民に溶け込み、足りなくなったら必要なだけ稼ぐ、こんな暮らしが新しい生き方として定着するのか注目されている。

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