『被災地の幽霊現象』 東北学院大学 女子大生の卒業論文が大反響

東北学院大学4年の工藤優花さん(22)の卒業論文が大反響を呼んでいます。


卒論のテーマは、『被災地のタクシードライバーの幽霊現象』で、工藤さんが約1年間かけて、地元のタクシー運転手から聞き取り調査をしました。


工藤さんはJR石巻駅に毎週のように通い、タクシー運転手100人以上に幽霊の話を聞いて回わったといいます。


石巻は、震災の被害が大きかった地域で、震災で身内を亡くしたタクシードライバーもいます。


工藤さんが「幽霊の話を聞かせてください・・・」と話しかけてもなかなか取り合ってもらえず、「面白おかしくネタにするな」などと怒鳴られて、目の前で泣きだした人もいたといいます。それでも7人が不思議な体験を話してくれました。


彼女は、東北学院大学の地域構想学科のゼミで学んでおり、ゼミの仲間も『慰霊碑』『震災遺構』『葬儀業者』『消防団の死生観』など、被災地では調査が難しいテーマに挑んでいました。


工藤さんは、幽霊という非現実的なテーマを、被災地で調査するという、周囲の理解や協力をえ難い毎日に、何度もやめようと思った、と話しています。


しかし、教授や仲間から、「いい研究になるから」と励まされ、「被災地の死生観についてまじめに突きつめたい」との思いで、調査を続けたといいます。


★工藤さんの聞き取り調査で実際にあった話しとは・・・


30代くらいの女性が、タクシーに乗りこみ、ドライバーに「南浜まで」と告げました。


運転手は、「そこはもうほとんど更地ですけど、かまいませんか? どうして南浜まで? コートは暑くないですか」と答えました。


女性は、そう尋ねる運転手に対し、震える声でこう答えました。


「私は死んだのですか」


驚いた運転手が「え?」とミラー越しに後部座席を見ると、女性は消えていました・・・


別の運転手の話では、真夏の深夜にコートを着てマフラーをした小学生くらいの女の子を乗せました。

自宅に着くと「おじちゃんありがとう」と言ってスーッと消え、女の子は降りるとき、運転手の手に触れたといいます。


ゼミの金菱教授がまとめた『呼び覚まされる霊性の震災学』が刊行されると国内外で話題になり、同東北学院大学でシンポジウムが開催されました。


緊急シンポで工藤さんは、「幽霊を乗せたタクシー運転手は、幽に敬意を抱いている」と語りました。


工藤さんたち以外にも、霊の話を震災の遺族から直接聞いた雑誌記者がいます。


この記者も石巻駅でタクシー運転手に聞き取りをしたところ、60代の男性運転手は、「南浜町の工事現場に男の幽霊が立っていて、霊感の強い人は昼間でも見えるらしい」、50代の男性運転手は、「自分で死んだことに気づいていない幽霊が沼に現れる」と答えてくれたドライバーがいたといいます。


また、旧北上川にかかる日和大橋は、霊が出るようになって、一時、夜間通行止めになったそうです。


幽霊を「霊さん」と呼ぶ運転手も多く、震災を理解し、同郷ヘの地域愛・人間愛から、幽に敬意を抱いているドライバーが多いのかもしれません。

この記事へのコメント


この記事へのトラックバック